2014年1月31日金曜日

「第4回・フォーラム 仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える」を開催

 2014年1月25日(土)、標記フォーラムを東北学院大学土樋キャンパス 押川記念ホール(仙台市青葉区)で開催しました。
 今回のテーマは、「ふるさとの浜辺復興、こうしたい」を分かち合う。・・・・・ 東日本大震災から3度目となった2013年の成長・繁殖期、仙台湾岸の砂浜海岸エコトーンでは、多様な生物・生態系が予想を上回る速さと広がりで、自律的な再生を果たしました。「ふるさとの自然・浜辺景観」は着実によみがえっています。一方、おそらく史上稀にみる高スピードと大面積で進行する復興工事の裸地造成、客土・盛土とのかかわりの中で、「再生途上にある、ふるさとの自然をいかに未来につなぐのか」という根源的課題が、依然として置き去りにされています。フォーラムでは、フィールドに根をおろして活動してきた専門家と市民団体が調査結果や取り組み、方策を発表し、続いて参加者間で意見やアイデアを交換しました。

 参加者は、北海道や徳島、島根といった遠方からお越し下さった方々を含めて、92名に達しました。市民団体や行政・報道機関の皆さん、環境調査会社や大学の専門家など、立場も多様です。
 フォーラムでは先ず、鈴木孝男(東北大学大学院生命科学研究科)さんが、長年の野外調査を踏まえて、「仙台湾南部海岸の自然環境特性と大震災後の変遷」について、包括的なレクチャーを行いました。続いて、原慶太郎(東京情報大)さんらが景観生態学の視点から、中嶋順一(仙台湾の水鳥を守る会)さんが保護・保全施策の実態という切り口から、鈴木玲(手稲さと川探検隊・雪印種苗)さんらが砂丘生態系復元活動の経験から、富田瑞樹(東京情報大学)さんらがエコトーンモニタリングの結果から、そして平吹(東北学院大学)が行政・市民協働の視点から、それぞれの活動経過と「こうしたい」を提示しました。また、ピロティでは、ポスターやパンフレットの展示がなされました。
 討論・総括のセッションでは、あらかじめカードに記入いただいた疑問や意見、活動事例、アイデアをもとに交流が図られました。紙面に綴られた視点や話題は多岐にわたり、モデレーターを務めていただいた熊谷佳二(蒲生を守る会)さん・原慶太郎さんはご苦労なさったようですが、突きつけられた課題の大きさを改めて実感しつつ、新しい知識や手だて、人との出会いが生まれたひとときとなりました。

 ご参加いただいた皆さま、ご後援・ご支援いただいた諸団体・諸機関に、心から御礼申し上げます。

Y.H.

第4回フォーラムの様子(2014年1月25日)